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ブース設計・デザイン・レイアウト

展示会ブースの「ゾーニング」、家具の配置で終わらせていませんか?

イシモトキンヤ

2026/9/1 05:19

小間図をもらって、まず何を考えますか。入口にカウンター、奥にモニター、隅にパンフレット台。四角を並べながら「うん、収まった」と一息ついた経験はありませんか。準備が進むほど、ゾーニングは「どこに何を置くか」というパズルになっていきます。しかし、そのパズルを解いても、来場者の足は止まりません。

ゾーニングを「間取り」で考えていませんか

小間図を渡された担当者の多くは、「入口に何を置くか」「奥に何を置くか」「什器はどこなら動きやすいか」という順番で考え始めます。これは自然な思考です。ゾーニングという言葉自体、もともと不動産や店舗設計の文脈で「空間を区切る」という意味で使われてきたものだからです。

家具の配置から考えること自体が問題なのではありません。問題は、その配置を決める基準が「見た目のバランス」や「なんとなく収まりがいいか」で止まってしまっていることです。

この基準で完成したブースは、図面としては破綻していません。動線はぶつからず、什器も整って見えます。しかし、実際に会場を歩く来場者の視点で見ると、話は変わってきます。来場者は図面を見て歩いているわけではありません。ブースの前を通りかかった一瞬に「おや?」と感じ、次の一瞬に「へぇ。」と足を止め、そこから「そうなんだ。」と理解して、ようやく声をかける。来場者は、この感情の順番でブースの中を進んでいきます。

家具の配置だけで設計されたブースには、この感情の順番に対応する「線」がありません。訴求物と体験コーナーが離れていたり、体験を終えた来場者がそのまま出口を向く配置になっていたり。個々のエリアは間違っていなくても、エリアとエリアのつながりが設計されていないのです。

この状態のまま出展すると、ブースに人が「入る」ことはあっても、「進む」ことが起きにくくなります。訴求物で足を止めた来場者が、その先どこへ向かえばいいのか分からず、その場で数秒眺めて離れてしまう。これはレイアウトの完成度が低いからではなく、判断基準が「何をどこに置くか」で止まっていて、「来場者が次に何を感じ、どこへ動くか」まで踏み込めていないために起きることです。

ゾーニングとは、来場者の「感情の一本道」をつくること

SHOWCASEでは、ゾーニングを「家具の配置」ではなく「来場者の感情と動線の設計」だと考えています。

考える順番を変えると、こうなります。まず目的とターゲットから、来場者にどんな行動を取ってほしいのかを決めます(目的→ターゲット→課題→訴求→来場者行動)。そのうえで、その行動が自然に起きるように、ブースという空間を後から当てはめていきます(→ブース→接客→商談)。ブースの形は来場者の行動を実現するための手段であって、出発点ではありません。

この順番で考えると、「おへその法則」がそのままゾーニングの設計図になります。

おや?(認知) は、通路から見えるブースの外側が担います。「自分に関係があるかもしれない」と気づいてもらう場所なので、最も目立つ位置には、キャッチコピーや象徴的な一点を置きます。

へぇ。(興味) は、足を止めた来場者が最初に目にする訴求エリアです。掲げているメッセージを裏づける展示や実物がここに必要です。

そうなんだ。(理解) は、体験やデモを通じて「なるほど、こういうことか」と腹落ちしてもらう場所です。

次の行動(接触) は、理解した来場者が会話に進む商談エリアです。ここで初めて、商談スペースをどこに置くかという問いに意味が生まれます。

重要なのは、この4つが物理的に離れていても構わないという点です。大切なのは、来場者の視線と足が、迷わずこの順番でつながっていくかどうかです。訴求で気づいた来場者が次にどこを見ればいいか分からなければ、そこで足が止まります。体験を終えた来場者がそのまま出口を向いてしまえば、商談は生まれません。

なぜこれが商談機会につながるのか。展示会で来場者と接点を持てる時間は、驚くほど短いものです。その短い時間の中で、認知から接触までの感情の移動を、来場者自身に埋めてもらうことはできません。ゾーニングとは、その移動をあらかじめ来場者の代わりに設計しておく作業です。線が一本につながっているブースだけが、来場者を「入口」から「商談」まで連れていくことができます。

今日やること:3つのエリアを、線でつないでみる

紙とペンを用意してください。前回、または今計画しているブースの平面図を、簡単な四角で構わないので描いてください。

そこに「訴求」「体験」「商談」の3つのエリアをそれぞれ丸で囲みます。最後に、来場者が実際にこの3つをどんな順番で通るかを、矢印で一本につないでみてください。

矢印がまっすぐ一本につながれば、そのゾーニングは合格です。途中で行き来したり、途切れていたり、体験のあとにそのまま出口へ向かう矢印しか引けなかったりした場合、そこが来場者を取りこぼしている場所です。

5分もあれば終わる作業ですが、この一本の線が引けるかどうかで、ブースの成果は大きく変わります。

まとめ

ゾーニングとは、家具をどこに置くかではなく、来場者の「おや?」から「商談」までの感情を、一本の線でつなぐ設計です。


自社のブースにも、この線がどこかで途切れている場所があるかもしれません。

SHOWCASEでは、現在のブースを認知→興味→理解→接触→商談の流れから無料で診断し、来場者をどこで取りこぼしているのかを明らかにしています。気になった方は、ぜひ無料ブース診断をご活用ください。