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リード獲得・商談・アフターフォロー

展示会のゴールは「名刺◯枚」ではない|必要な受注件数から逆算する、たった3行の計算

イシモトキンヤ

2026/8/24 07:07

展示会が終わって3か月。名刺の束は社内に残っているのに、そこから生まれた商談を数えると片手で足りる——そんな会期後を過ごしたことはないでしょうか。

会期中は忙しく、名刺も想定どおり集まりました。数字の上では悪くない。それなのに、新規開拓は進んでいない。

原因は当日の頑張り方ではなく、出展を決めた日に置いたゴールの位置にあります。

「名刺の数」は、目標ではなく途中経過

名刺枚数を目標にしてしまうのは、担当者の甘さではありません。会期中に自分たちで数えられる数字が、それしかないからです。

商談化件数や受注金額の答えが出るのは数か月先。社内に「初日は◯枚でした」と報告できるのは名刺だけです。だから、いつの間にかそれが目標の顔をして居座ります。

問題は、名刺を集める行為そのものではありません。その枚数が何件の商談になれば出展した意味があるのかを、誰も決めていない状態です。

そして、ゴールが「枚数」になると、当日の判断がすべてそれに引きずられます。

通路の全員が声をかける対象になる。ノベルティで足を止めてもらう。とにかく交換する。会期が終わったときに手元に残るのは、自社の顧客になり得ない人を大量に含んだ名刺の山です。

SHOWCASEのメディアで紹介している製造業A社のモデルケースが、この構造をよく表しています。初回は名刺30枚・商談ゼロ。悔しさから2回目は予算を3倍近くかけ、装飾をプロに依頼し、全社員で呼び込みをして名刺150枚——5倍の成果を出しました。

ところが会期後、その150枚は整理されないまま放置されます。通常業務に押されてフォローが後回しになり、ようやく電話をかけたときには「どちら様でしたっけ?」。目的だった新規顧客の開拓は、5倍の名刺を集めても達成できませんでした。

A社の打ち手は、どれも間違っていません。間違っていたのは順番です。ブースを直す前に、決めるべきことが残っていました。

まずROI 0%。「元が取れる件数」を先に出す

では、何を基準にゴールを決めるのか。

SHOWCASEが最初に置く基準は、派手な売上目標ではなく ROI 0% です。

ROIは「(利益 − 投資額)÷ 投資額 × 100」。ROI 0%とは、出展にかけた費用をちょうど回収できた状態を指します。前回の手応えが薄かった企業ほど、ここを出発点にすべきです。届くかどうか分からない目標より、判断の物差しになる数字のほうが役に立ちます。

計算は3行で終わります。以下は、数字の動き方を見るための計算例です。

  1. 出展費用(出展料+装飾+販促物+人件費)= 50万円

  2. 粗利率25%なら、この50万円の粗利を生む売上は 200万円

  3. 顧客平均単価が80万円なら、200万円 ÷ 80万円 = 2.5件

この展示会は、2.5件受注できれば元が取れる。

多くの方が、ここで「思ったより少ない」と感じます。その感覚こそが、この計算の目的です。

件数が決まると、「絞る」判断ができるようになる

必要な受注が2.5件だと分かると、逆算が始まります。

その2.5件を生む商談は何件必要か。 その商談になる有望見込み客は何人か。 その人たちはどんな立場で、どんな課題を持っているのか。 その課題を持つ人が5m先で「自分に関係がありそうだ」と気付くには、壁面に何と書いてあればいいのか。 立ち止まった人に何を見せ、最初に何を聞くのか

SHOWCASEが「ブースをつくる前に、商談までの道筋をつくる」と言っているのは、この順番のことです。目的 → ターゲット → 課題 → 訴求 → 来場者行動 → ブース → 接客 → 商談。上流が決まっていないブースは、必ず「自社の言いたいこと全部載せ」になります。

そしてもう一つ。必要な件数が数件だと分かると、絞ることが怖くなくなります。

名刺100枚が目標のうちは、通りかかった人全員が対象です。しかし必要なのが数件の商談なら、100人と話す必要はない。絞れば名刺の絶対数は確実に減りますが、減っていいのです。フォローを一人か二人で回す中小企業にとって、追いかけきれない名刺は成果ではなく負担にしかなりません。

実際、SHOWCASEをご利用いただいたある企業では、名刺獲得数そのものはほぼ変わらないまま、追う指標を「商談化数」に切り替えた結果、商談化数が300%向上し、受注数も倍増しました。接客した人数は同じなのに見込み客の質が上がり、「展示会運営が格段にラクになった」という声までいただいています。

追いかける数字を変えるだけで、当日の動き方も、会期後の忙しさも変わります。

電卓を出して、必要な受注件数を一行で書く

今日やることは一つだけ。5分で終わります。

前回、または今回予定している出展費用を、自社の粗利率で割ってください。出てきた必要売上を、顧客平均単価で割ってください。

出展料だけでなく、装飾費・販促物・当日の人件費まで含めるのがポイントです。そして出た数字を、こう一行で書き残してください。

「この展示会は、◯件受注できれば元が取れる」

これで完了です。この一行を社内で共有した瞬間から、次の打ち合わせは「名刺何枚を狙う?」ではなく「その◯件は、どんな会社から生まれる?」という会話に変わります。

まとめ

展示会のゴールは、何枚集めるかではなく、何件決まれば元が取れるかから決まります。


「では、いまのブースはその件数を生む形か」が気になった方へ

必要な受注件数が見えると、次の疑問はここに移ります。

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