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全体像・基本理解

「展示会はリード単価が高い」その比較、実は的外れかもしれません

イシモトキンヤ

2026/8/29 01:27

はじめに

展示会の予算稟議で、こう言われたことはありませんか。

「Web広告なら1件3,000円で獲れるのに、展示会は1万円もかかるのか」

たしかに数字だけを見れば、その通りです。でも、この比較を基準に展示会への投資を渋っているとしたら、それは判断の土台そのものがずれている可能性があります。CPL(リード獲得単価)という一つの数字だけで、展示会の価値は測れません。

CPLで比較すること自体が、問題ではない

CPLでWeb広告と展示会を比べるのは、決して間違った発想ではありません。コストを可視化しようとする姿勢は、むしろ健全です。

問題は、比較する場所を間違えていることにあります。

CPLは「1件の名刺を獲得するのにいくらかかったか」を表す数字です。しかし経営が本当に知りたいのは、「1件の受注に、いくらかかったか」のはずです。この2つは、まったく別の指標です。

Web広告のリードは、フォームに情報を入力しただけの、まだ検討段階の浅い見込み客が多く含まれます。一方、展示会に足を運ぶ来場者は、すでに「予算」「時期」「課題」をある程度持って会場に来ています。同じ「1件」でも、リードの温度はまったく違うのです。

CPLだけで判断を止めてしまうと、「展示会は割高だから縮小しよう」という結論に流れがちです。しかし、それは目的や判断基準を決めないまま、目に入りやすい数字だけで意思決定している状態だと言えます。

見るべきは「商談化率」と「最終獲得単価」

SHOWCASEでは、CPLの高さそのものではなく、そのリードが商談にどれだけ進むかを判断基準にすべきだと考えています。

一般的に、Webフォーム経由のリードが商談に進む割合は0.5〜1%程度と言われる一方、展示会リードの商談化率は1〜5%とされています。単純比較でも、展示会リードは商談に進む確率が3〜5倍高いということです。

理由は単純です。展示会の来場者は、ブースに立ち止まった時点で、すでに「おや?(認知)」から「へぇ。(興味)」の段階を自分の意思で通過しています。Web広告のクリックとは、スタート地点が違うのです。

ここで見るべき数式は、次の一つだけです。

最終獲得単価 = 総出展費用 ÷ 商談化件数

たとえば、総費用100万円・リード100件・商談化率3%という条件で計算してみます。

・CPL(リード単価)=100万円 ÷ 100件 = 1万円 ・商談化件数 = 100件 × 3% = 3件 ・最終獲得単価 = 100万円 ÷ 3件 = 約33.3万円

一方、Web広告でCPL3,000円・リード300件・商談化率0.7%だとすると、商談化件数は約2.1件、最終獲得単価は約42.8万円になります。

CPLだけ見ればWeb広告の圧勝ですが、商談1件あたりで見ると、展示会のほうが効率的というケースが十分に起こり得るのです。もちろんこれは仮の数字での比較にすぎません。大切なのは数字そのものではなく、「どちらが安いか」ではなく「どちらが商談機会につながりやすいか」で判断するという順番です。

自社の「最終獲得単価」を一度だけ計算する

前回の展示会の資料を開いてください。そして、次の一行だけを計算してください。

「総出展費用 ÷ 商談化件数」

リード数やCPLの欄は、今回は見なくて構いません。この一つの数字が出た時点で、作業は完了です。

まとめ

展示会の価値は、CPLの安さではなく、商談1件あたりの最終獲得単価で判断してください。


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