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ブース設計・デザイン・レイアウト

壁で囲むほど、ブースは"入りにくく"なる|小さな展示会ブースの「開放感」の正体

イシモトキンヤ

2026/9/1 05:28

限られた1〜2小間のスペースで、少しでも「きちんとした空間」に見せたい。そう思って、パネルや什器で三方をぐるりと囲み、まるで小さな個室のようなブースを作り込んでいませんか。周囲の喧騒から切り離された、落ち着いた商談空間。そのつもりで壁を立てるほど、実は来場者の足を遠ざけているかもしれません。

「囲えば特別感が出る」という思い込み

小さなブースを担当する方ほど、「大きなブースに見劣りしないように、きちんと囲いたい」と考えます。パネルで三方を仕切り、正面だけを開ける。統一感のある落ち着いた空間ができれば、来場者もじっくり話を聞いてくれるはずだ、と。

この考え方自体が間違っているわけではありません。問題は、「囲うことで何が起きるか」を考えないまま、なんとなく囲ってしまっていることです。

来場者の立場になって考えてみてください。展示会場を歩く来場者の多くは、まだ「話を聞くつもり」で歩いているわけではありません。「気になったら少し覗いてみよう」くらいの温度感です。そこに、三方を壁で囲まれ、入口が一つしかないブースがあると、どう感じるでしょうか。

一歩入ってしまえば、スタッフに声をかけられ、簡単には抜け出せない。そう無意識に感じた瞬間、来場者は「ちょっと危ないブース」と判断し、通路から動きません。囲うことで狙った「特別感」は、来場者の側からは「捕まる空間」として映ってしまうのです。

これは、行動そのものが悪いのではありません。「囲むことが来場者にどう見えるか」という判断基準を持たないまま、見た目の作り込みだけを進めてしまった結果です。

判断基準は「壁の見た目」ではなく「出口があるかどうか」

SHOWCASEが展示会ブースを考えるとき、常に立ち返る問いがあります。それは「それは、会いたかった相手との商談機会につながるか」です。この問いに沿って、開放感を考え直してみます。

商談は、来場者がブースに来てくれなければ始まりません。目的(商談機会をつくる)→ターゲット(会いたい相手)→課題→訴求ときて、次に来るのが「来場者行動」です。来場者にどう動いてほしいか。それは、通路を歩きながら「おや?」と気づき、「へぇ。」と足を止め、「そうなんだ。」と理解し、スタッフに近づいて接触してもらうこと。この一連の行動は、来場者が自分の意思で一歩ずつ進める状態でしか起こりません。

ここで効いてくるのが「出口があるかどうか」です。入口と出口が別にある、あるいは、いつでも通路にすぐ戻れる。そう感じられるブースにこそ、来場者は安心して足を踏み入れます。出口設計こそが、最強の入口設計なのです。壁の高さや装飾の豪華さではなく、「逃げ道が見えているかどうか」が、来場者が最初の一歩を踏み出せるかどうかを決めます。

だからといって、囲うこと自体をすべて否定する必要はありません。順番の問題です。開放感が必要なのは、来場者がまだ「見るかどうか」を判断している通路側です。落ち着いた雰囲気で深く話を聞く商談スペースは、来場者がすでに興味を持ち、自分の意思でブースの奥まで進んできたあとに用意すればいい場所です。通路側を塞いで「そうなんだ。」の手前で来場者を止めてしまっては、奥にどれだけ良い商談スペースを用意しても、そこにたどり着く人自体がいなくなってしまいます。

今日やること

ブースのレイアウト図、または過去の展示会の配置写真を一枚開いてください。通路に面している一辺に、来場者の視線や動線を遮る什器・パネル・のぼりが置かれていないか確認してください。もし置かれていたら、その配置に印をつけ、「奥に動かす」か「外す」かをその場で決めてください。

来場者から見て、通路越しにブースの奥まで視線が通る状態になっていれば、今日のタスクは完了です。

まとめ

出口をふさぐほど、入口も閉じる。ブースの強さは、壁の高さではなく、開いている面の広さで決まります。


この記事を読んで、自社のブースの通路側が実際にどうなっているか気になった方へ。SHOWCASEでは、現在のブースを認知→興味→理解→接触→商談の流れから診断し、どこで来場者を取りこぼしているのかを無料で確認しています。

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