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ブース設計・デザイン・レイアウト

角地が当たったのに、成果が変わらない。1小間の角地で見落とされている「柱」の使い方

イシモトキンヤ

2026/9/8 05:32

小間割図が届いて、自社のブースが角地になっていた。「今年はついてるね」と、社内で少し話題になった。

けれど、そのあとに始めたのは、去年と同じ準備だったのではないでしょうか。同じキャッチコピー、同じパネル、同じ展示台の配置。角地であることを喜んだのは、図面を見たあの一瞬だけ。

角地は、確かに有利な条件です。ただし、有利な条件を持っていることと、その条件を成果に変えることは別の話です。

「壁が一枚減っただけ」と考えていないか

角地を、通常の小間から壁が一枚外れたもの、と受け取ってしまう。これは無理のないことです。申込単位も出展料も、同じ「1小間」だからです。

しかし、実際に変わっているのは面積ではありません。来場者が近づいてくる方向の数です。

三方が壁の1小間なら、来場者は正面の一方向からしか接近してきません。角地なら二方向。角に立てば、斜め前からも視界に入ります。

一方で、壁は物理的に減っています。掲出できる面は、むしろ少なくなっている。ここに「去年と同じ」を持ち込むと、何が起きるか。

去年の正面パネルを、そのまま新しい正面に移す。もう一方の開放面は、何のメッセージも持たないまま空きます。つまり、せっかく増えた接近方向のうち片方は、無言のまま放置されることになります。

会期中の見え方も変わります。三方壁のブースなら、スタッフは自然と正面を向いて立ちます。ところが角地では、背中側にも通路がある。どちらを向けばいいのか決めていないと、スタッフは無意識に片方だけを向き、もう片方から来た人とは目が合わないまま終わります。

有利な立地を引いたのに、去年と同じ来場者数で終わる。そのとき原因は「今年は人が少なかった」に見えます。実際には、増えていたはずの接近方向を使っていなかっただけ、ということが起こります。

問題は角地を引いたことではありません。条件が変わったのに、判断基準を変えないまま去年の設計を運んでしまうことです。

角地で増えているのは「広さ」ではなく「入口」

SHOWCASEでは、角地の1小間には通常の1小間の2倍以上の価値があると考えています。

理由は二つあります。二方向の通路から目視されるため、見つけてもらえる確率が上がること。そしてもう一つ、二面が開放されているため、通路に向けてスタッフを配置できることです。

多くのブースが並ぶ会場で、「見つけてもらえる」ことと「人を置ける」ことは、そのまま接触機会の数につながります。展示会によっては追加料金で角地を優先確保できる場合もありますが、私たちはその投資に見合う価値があると考えます。

ただし、価値があることと、価値を引き出せていることは別です。

二方向に同じものを貼るのは、2倍ではない

よく見かけるのが、同じキャッチコピーを両面に掲げるやり方です。これは二倍になっているのではなく、同じ一枚を二回見せているだけです。

逆に、方向ごとに違う商品、違うメッセージを出すと、通り過ぎた人の印象がばらけ、結局「何の会社か分からない」に戻ってしまいます。

判断基準はこうです。訴求は一つに絞る。そのうえで、面ごとに役割を分ける。

「おへその法則」を、面ごとに割り当てる

来場者は、おや?(認知)→ へぇ。(興味)→ そうなんだ。(理解)→ 接触、という順番で近づいてきます。角地では、この段階を面ごとに配置できます。

  • 人の流れが多い側の面 ── おや?。誰の、どんな困りごとを解決するのか。歩く速度で読める一行を、高い位置に。

  • もう一方の面 ── へぇ。。実物、デモ、動くもの。立ち止まる理由をここに置く。

  • 奥の壁 ── そうなんだ。。説明パネルで、仕組みと根拠を伝える。

  •  ── 接触。どちらの通路から来た人とも、最初に距離が縮まる場所。スタッフはここに立つ。

見栄えを整えるための配置ではありません。どちらの通路から歩いてきた人も、同じ順番で商談に近づけるようにするための配置です。

角の柱は、唯一「両方向から必ず見える」場所

角地には、必ず角があります。パッケージブースならシステムパネルの柱、そうでなくてもコーナー部分です。

ここは、どちらの通路を歩いていても視界に入る、唯一の位置です。言い換えれば、ここを空けたままにすることは、二方向を同時に取りこぼすことを意味します。

掲げるのは社名ではありません。社名は、近づけば社名板で読めます。遠くから必要なのは「自分に関係があるかどうか」の判断材料です。最も強い一行を、いちばん高い位置に置いてください。

角の柱は幅が狭く、情報を詰め込めません。それは制約ではなく、絞り込みを強制してくれる条件だと考えてください。ここに載せられる文字数で言い切れないなら、その訴求はまだ絞り切れていないということです。

なお、角地は入りやすい代わりに、通り抜けやすくもあります。だからこそ、足を止める理由を一つだけ、角の周辺に集中させる。予算を均等に配分せず、この一点に寄せる。小さなブースでの一点豪華主義は、角地でこそ効きます。

今日の行動:角の柱に載せる一行を決める

小間割図を印刷してください。

自社ブースに接している通路すべてに、来場者が歩いてくる方向の矢印を書き込みます。会場の出入口、メイン通路、セミナー会場の位置から推測すれば十分です。

そのうえで、どの矢印から来ても視界に入る角の位置に、掲げる一行を書いてください。

完了の目安は、一行が書けていること。歩きながら読める長さで、会社名は入れない。それだけです。

まとめ

角地で増えたのは面積ではなく、来場者が近づいてくる方向の数です。増えた方向の数だけ、伝える役割を決めてください。


自社の場合はどの方向から取りこぼしているのか、気になった方へ。

SHOWCASEでは現在のブースを、認知 → 興味 → 理解 → 接触 → 商談 の流れから確認し、どこで来場者を取りこぼしているのかを無料で診断しています。

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