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集客・キャッチコピー・訴求設計

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展示会で声を掛けると嫌がられる、は本当か?「いらっしゃいませ」をやめた瞬間に会話が生まれる理由

イシモトキンヤ

2026/9/8 05:43

展示会の初日、ブースの前を人が通り過ぎていく。

声を掛けたほうがいいのは分かっている。でも、以前チラシを差し出して露骨に避けられたことを思い出す。無理に声を掛けて嫌な顔をされるくらいなら、興味を持った人が自分から入ってくるのを待とう——。

そう決めて、二日間を立って過ごす。名刺は数枚。「うちの商品が悪いわけじゃないと思うんだけど」という感想だけが残る。

もし心当たりがあるなら、問題は声を掛けたかどうかではなく、何と言って声を掛けたかにあります。

避けられているのは、あなたではなく「捕まること」

「声掛けは嫌がられる」という感覚は、間違いではありません。

来場者にとって展示会は、ウィンドウショッピングに近いものです。すぐ買う相手を探しに来ているわけではなく、「何かいいものはないか」と歩きながら情報を集めています。しかも会場は広く、床は硬く、体力は思ったより早く尽きます。

そこへ「いらっしゃいませ、よかったらご覧ください」と一歩踏み出されると、来場者の頭に浮かぶのはこれです。

「ちょっと見たいだけなのに、捕まったら面倒だな」

ここが重要です。避けられているのは、声を掛けたという行為そのものではありません。この先どれだけ時間を取られるか分からない状態が避けられています。

では待機すればいいのかというと、そうもいきません。1〜2小間のブースは、そもそも前を通る人数が限られます。通路側に立って黙っていると、来場者からは「何のブースか分からないうえに、人が待ち構えている場所」に見えます。むしろ入りにくくなることさえあります。

つまり、声を掛ける/掛けないの二択で悩んでいる限り、どちらを選んでも取りこぼしは減りません。悪いのは行動ではなく、その一言に判断基準がないまま現場に立っている状態です。

声掛けは「呼び込み」ではなく「キャッチコピーの音声版」

SHOWCASEでは、展示会を目的 → ターゲット → 課題 → 訴求 → 来場者行動 → ブース → 接客 → 商談という一本の線で考えます。声掛けは、この線の終盤にある「接客」ではなく、訴求を口で繰り返す行為だと位置づけています。

キャッチコピーの役割は、来場者の困りごとに触れて「自分に関係がありそうだ」と気付いてもらうことでした。声掛けも同じです。掲げた訴求を、通路を歩く人の耳にもう一度届ける。それだけです。

「捕まりたくない」を解除する一文の条件

SHOWCASEが重視しているのは、次の三つを満たす一言かどうかです。

① 相手が一秒で「自分に関係あるか」を判定できるか

「いらっしゃいませ」には情報がありません。相手は判断材料がないまま、足を止めるかどうかだけを迫られます。「◯◯の検品でお困りではありませんか?」なら、関係ない人はそのまま通り過ぎ、関係ある人だけが反応します。

② 相手が「いいえ」と言える形になっているか

質問には、断る自由が組み込まれています。断れる形で聞かれると、人は身構えません。逆説的ですが、逃げ道を用意した声掛けのほうが、足が止まります。

③ その質問の答えが、こちらの訴求とつながっているか

「お困りですか?」に「はい」と返ってきた瞬間、会話は説明ではなく相談から始まります。これは来場者にとって、自分の話を聞いてもらう時間です。

おへその法則でいえば、質問型の声掛けは「おや?|認知」を耳から起こし、そのまま「次の行動|接触」まで一気に橋を架ける手段です。「へぇ。」「そうなんだ。」の部分は、ブースの中の展示物やパネルが引き受けます。

誰に声を掛けるかも、判断基準で決める

全員に掛ける必要はありません。SHOWCASEでは、歩きながらブースやキャッチコピーに一度でも目を向けた人を対象にすることをおすすめしています。視線は、来場者側から出た小さなサインです。そこに応えるのは押し売りではなく、リアクションです。

スマートフォンを見ている人、明らかに急いでいる人に掛けても、断られる経験が増えるだけです。断られ続けると、二日目には誰も声を出さなくなります。声掛けが続かない原因は根性ではなく、対象を絞っていないことにあります。

今日やること

「いらっしゃいませ」を禁止語にして、代わりの一文を一つだけ書いてください。

自社のキャッチコピーを見て、その語尾を質問に変えるだけで構いません。

  • 掲示:「試作の納期短縮」

  • 声掛け:「試作の納期でお困りではありませんか?」

書けたら紙に大きく印刷し、ブース内の見える場所に貼ります。当日立つ全員が、この一文だけを使う。所要時間は5分です。

まとめ

声掛けで問われているのは声の大きさではなく、その一言で相手が「自分に関係あるか」を判断できるかどうかです。


この記事を読んで、自社の場合はどうなのか気になった方へ

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